バスの技術

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11 北村製作所の「なまず」

かつて、バスはシャーシと呼ばれる「自動車として走るための機械系」とボディ(車体)とが独立していて、それぞれ別々の会社で生産されていた。シャーシメーカーの多くは系列の車体メーカーをもっていて、製造するバスの多くにそこで車体を架装していたが、一方で系列に属さない独立系の車体専門メーカーが存在し、様々なメーカーのシャーシに同じ基本設計のボディを架装しているところも有った。たとえば西日本車体工業や富士重工業などは、国内でシャーシを生産している4メーカー全てに同じ形式のボディを架装したものを販売していた。

本会保存車の元・山形交通ボンネットバスTSD40はいすゞ自動車が製造した全輪駆動トラック用シャーシに、新潟市にあるボディメーカーの北村製作所がボディを架装したもの。北村製作所はバス車体事業開始当初は各社のシャーシに架装していた、ある時期から基本的にいすゞ車のみ架装するようになった。

この北村製作所が昭和末期にいすゞLV314系のシャーシに架装して、地元の新潟交通限定で100両納車したのが「なまず」とよばれるバス。この呼び名はフロント部の形状に由来するとのこと。画像は2008年6月にバス愛好家有志が実施した貸切ツアーの際、許可を得て営業所内で撮影した物。2012年に最後の一台が引退し、新潟市中央区の鳥屋野(とやの)交通公園に保存されている。

近年では特装車を除き、ボディとシャーシを同じメーカーまたは系列会社で生産することが当たり前になり、独立系車体メーカーというビジネス自体が成立しなくなった。そのため西日本車体工業は会社そのものが解散し、富士重工業、北村製作所はバス車体架装事業から撤退した。(福本)


NAMAZU 1  NAMAZU 2

北村ボディのいすゞLV314Q「なまず」

<2014年 12月掲載>

12 「グランドリーム号」導入 [JRバス関東・西日本JRバス]

GranDream

ジェーアールバス関東のH677-14422号

ジェーアールバス関東・西日本ジェイアールバスの両社では、東京~京阪神間の夜行高速バス「ドリーム号」シリーズに、新車を各4両、計8両導入し、「グランドリーム号」と名付けて、平成26年10月31日より運行を開始した。

3列独立シート28席でトイレ付。座席は新開発の「クレイドルシート」で、ゆりかごのように包み込む座り心地との触れ込み。リクライニングさせると、座面全体が傾いて、実際にも、そのような感覚となる。さらに空気清浄器・Wi-Fi設備・充電用コンセント・プライベートカーテン等の設備も設けた。(高島)


<2015年 1月掲載>

13 オープンデッキバス OSAKA SKY VISTA

近鉄バスが、昨年の7月10日より2階建オープンデッキバスの運行を開始した。

コースは近鉄高速バスセンターを起終点として、大阪城、道頓堀、通天閣、あべのハルカスなど大阪市内の約19kmを、約1時間20分で巡る定期観光バスとなっている。1日4便で毎日運行しており、定員は42名、運賃は、大人2,000円、小人1,000円となっている。

車両は三菱ふそうのエアロキング、ダブルデッカーを改造して使用している。改造費は約2,300万円、ダブルデッカーなので、全高も3.74mと高く眺めは抜群である。バスガイドが添乗しており、観光案内を行い、英語、中国語、韓国語の多言語ガイドシステムも用意されている。これは富士ゼロックスが提供する、GPSと専用ポータブル端末を連携させた「観光音声ガイドサービス」というガイドシステムである。運行するバスの位置情報に合わせて、あらかじめ登録された観光スポットの紹介を行う。


SkyVista 1 SkyVista 2
SkyVista 3

<2015年 8月掲載>

14 オープンデッキバス スカイバス東京

東京の新しい定期観光バスの顔としてすっかり定着したスカイバス東京は日の丸自動車興業が運行しており、東京駅丸の内口の丸の内三菱ビルから発着しています。

車両は開放感たっぷりのフルオープンタイプや屋根開閉式ホロのカブリオレタイプ、屋根がガラス張りのスケルトンタイプの3種類が導入されています。

コースは皇居・銀座・丸の内コースや東京スカイツリー・浅草コースなど5コースが設定されていますが、料金も1,600円~2,100円とリーズナブルなことに加え1日に9本設定されるコースもあるなど利用しやすさも手伝って根強い人気となっていいます。


SkyVista 1 SkyVista 2

<2015年 8月掲載>

15 京都BYD電気バス

京都急行バスが東山区の京都女子大前から京都駅八条口、四条河原町を結ぶ路線「プリンセスラインバス」に平成27年2月23日から中国製のBYD社製の大型電気バスK9を5台導入した。

定員は69名、フル充電で220km走行可能である。全長12m、総重量18t、リチウムイオン電池を搭載し、すべての車輪にインホイールモーターを採用している。

前ドアはグライドスライド式であるが、中ドアは車体に平行して外側に分割開閉するタイプである。

モーターの最大出力効率は95kw, 最大トルクは550Nm, 価格は約8000万円である。


KyotoBYD 1 KyotoBYD 2

<2015年10月掲載>


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