バスの技術

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6 『珍車』ノンステップバス

三菱ノンステップバス PKG-MP35UK改

三菱ふそうトラック・バスと日産ディーゼル(現UDトラックス)がバス事業で提携を開始した為ディーゼルノンステップバスはすべて日産ディーゼル製のエンジンMD92TJを積み西日本車体でボディーを架装していた。

その後ユーザーからの要望及び納期遅延から2009年4月より再び三菱ふそうトラック・バスにおいて生産することになった。

しかしながら2010年6月のポスト新長期規制対応によるモデルチェンジから搭載エンジンが6M60に替わり形式もLKG-MP37FKとなった。その為PKG-MP35UK改はわずか1年の短命となった。

この数少ない車両に乗車してみた。見た目はワンステップバスとあまり変わらないが左側の窓の位置が中ドアの前と後ろで高さが違うくらいである。

エンジン音はMD92TJ特有のキューンというターボ音は西日本車体製の車両と同じだが排気音は多少違う様に感じた。車内は車内高がワンステップ車と同じなので後部座席に座ってもノンステップ車特有の圧迫感がない。

今後もこのボディーは継承されるので外観での見分は難しいですが、さてエンジン音で違いがわかるでしょうか?(村岡)



<2011年2月掲載>

7 京王電鉄バス3列車

三菱 QRG-MS96VP

QRG-MS96VP

外観に派手さは無いが、3列車である。

マイナーチェンジでホイールベースが変わったから、乗り心地はかつてのエアロクイーンMの再来!?と思ったら、U-MS826Pのイメージでした。(初期車ほどではないけど。)外車(韓国車)にも攻め込まれているんだから、頼みますよ、三菱ふそうさん。(大澤)


<2012年 9月掲載>

8 EVバス(ELEMO AKITA)

いすゞELGAmio 改造車

ELEMO AKITA

先日東京ビックサイトで開催されていたカーエレクトロニクスショーに、実車が展示されていた。この車両は「あきたEVバス実証コンソーシアム」という秋田県と技術支援企業・機関が協賛する組織によって作製された。

2012年の7月より緑ナンバーを取得して実証実験が行われており、また2013 年の8月からは秋田中央交通により営業運転も開始される予定である。

この車両は、いすゞELGAmioノンステップ車を改造して作製された。コストを抑えるため、主な改造はエンジンをモーターに載せ替えた程度で、クラッチ及びトランスミッションはそのまま使用されている。また外観や室内もそのままで定員も変わらない。

搭載されているバッテリーはリチウムイオン電池で、日産自動車のEV「リーフ」と同じものを用い、ここにもコスト削減の工夫が伺える。また屋根には太陽電池が搭載され充電を補う。

運転の方法はエンジン車とは多少違い、発進時はギアを入れ、クラッチは繋いだままアクセルを踏むことでスタートする。その後シフトアップする際はクラッチを踏んでギアを変えるのはエンジン車と同じである。しかしながらモーターの特性である低速トルクの太さを生かして3速固定の走行も可能である。満充電時の走行距離は36km, 最高速度は100kmとなっている。(村岡)


ELEMO AKITA
 ELEMO AKITA
 ELEMO AKITA

<2013年 2月掲載>

9 福岡オープントップバス

日野トラックシャーシにバスボディー架装

福岡市内の主要観光地を巡る日本初の国産オープントップバスが昨年から運行されている。

車両は日野のトラック「プロイフィア」の4軸低床車のシャーシをベースにバスボディーが架装されている。この専用車両は2台ありそれぞれアーバンレッドとマリンブルーに塗装されている。

「シーサイドももちコース」「博多街なかコース」「福岡きらめき夜景コース」の3コースがある。「シーサイドももちコース」はマリンブルーの車両で運行され1日4便、「博多街なかコース」はアーバンレッドの車両で運行され1日4便、「福岡きらめき夜景コース」は両タイプの車両で運行され1日2便となっている。

3月の末に「博多街なかコース」に乗車した。平日にも関わらず春休み中ということもあり36名の座席も満席であった。トラックシャーシであるが、総輪エアサスなので乗り心地は良好で、3.2mからの眺望はやはり圧巻である。3月ということでまだ寒い季節であったが防寒用に専用のロングコートを貸しており、また足元から温風が出ていて寒さはあまり感じなかった。

またこのバスはバスアナが乗車して観光案内を行うことも1つの特長となっている。 現在15名のバスアナが在籍しており、皆タレント・モデルで1人1人がオリジナルの観光案内を行う。私が乗車した便のバスアナの案内も大変上手であり、やはりラジオのDJをしているとのことであった。(村岡)


Open Bus 1 Open Bus 2
Open Bus 3 Open Bus 4

博多 オープントップバス運行風景

<2013年 6月掲載>

10 北九州市交通局の電気バス

北九州市交通局では平成26年3月26日より電気バスの運行を開始した。

車両は韓国製で韓国内で組み立てているものの、車体は東レ製のカーボンファイバーを採用し車両の軽量化を計り、また三菱重工製の高性能Liイオン電池を使用し日本の技術が多く採用されている。この技術導入で航続距離80km(カタログ値)を達成している。

車両寸法は全長11.065m、幅2.495m、高さ3.475mで、重量は11,250kg。 定員は72名、最高速度は85kmとなっている。

現在運行している路線は、エコタウンセンターから戸畑駅までの約9kmを若松営業所8時11分発、戸畑駅8時45分着、戸畑駅8時50分発、エコタウンセンター着9時23分着の1往復、エコタウンセンター11時49分発、戸畑駅12時26分着、戸畑駅12時35分発、エコタウンセンター13時08分着の1往復の計4便であり、この路線を2台の車両で運行している。また運行は平日のみである。

この電気バスの運行はゼロエミッション交通システム推進の一環である。

平成26年10月までは、通常の電力により給電していたが、10月からは、エコタウンセンターに設置したメガソーラーシステムからの給電が開始され、平成27年4月からは、大型蓄電池の運用が始まり、最終的にゼロエミッションで安定的に電気バスの運行が可能になる。(村岡)


KK EV Bus 1 KK EV Bus 2
KK EV Bus 3

北九州 電気バス

<2014年 12月掲載>


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